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医工連携

タンパク医薬品を超分子で守る

医工連携の実践者58 東大志 熊本大学准教授

2021年12月15日号

 抗体などタンパク質を有効成分とする医薬品は増える一方だ。一般論として、特異性や機能が低分子医薬品に比べて優れている。  一方、熱や振動などによって凝集を生じやすく、効果低下やアレルギーを招くため、輸送や保存の際に注意が必要だ。さらに、体外へ速やかに排泄されてしまって効果持続に難がある場合もある。  これらの欠点を改善するため行われてきたのが、タンパク質にポリエチレングリコール(PEG)を結合させるPEG化だ。凝集しにくくなり、排泄もされにくくなる。ただPEG鎖が結合したままだと標的へ作用する際の邪魔となり、大抵は活性(薬効)が著しく低下する。よってPEG鎖は適当に外れることが望ましい。  整理すると、PEG鎖の結合に強さを求め過ぎると薬効が低くなる。だからと言って、結合が外れることを優先し過ぎると薬の凝集...  抗体などタンパク質を有効成分とする医薬品は増える一方だ。一般論として、特異性や機能が低分子医薬品に比べて優れている。  一方、熱や振動などによって凝集を生じやすく、効果低下やアレルギーを招くため、輸送や保存の際に注意が必要だ。さらに、体外へ速やかに排泄されてしまって効果持続に難がある場合もある。  これらの欠点を改善するため行われてきたのが、タンパク質にポリエチレングリコール(PEG)を結合させるPEG化だ。凝集しにくくなり、排泄もされにくくなる。ただPEG鎖が結合したままだと標的へ作用する際の邪魔となり、大抵は活性(薬効)が著しく低下する。よってPEG鎖は適当に外れることが望ましい。  整理すると、PEG鎖の結合に強さを求め過ぎると薬効が低くなる。だからと言って、結合が外れることを優先し過ぎると薬の凝集や

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