医工連携
HIVを完全排除するワクチン
医工連携の実践者59 保富康宏 医薬基盤・健康・栄養研究所 霊長類医科学研究センター長
2022年1月1日号
HIVの感染者は、国内に2万人以上、世界全体で4000万人近くいる。致死的なエイズ(後天性免疫不全症候群)発症を感染後の服用で防ぐ薬はあるけれど、慢性感染の状態で抑え込むのがやっとで、服薬を生涯続けなければならない。最初から薬を得られず、あるいは政治や経済の事情によって服薬を続けられず、発症して亡くなる人はアフリカを中心に年約100万人に上る。
そんななか、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の研究班が10月、HIVを体内から排除できるかもしれない技術を開発したと『NPJ Vaccines』誌に論文発表した。これまで排除に成功していたのは、白血病の治療として骨髄移植を受ける際にHIV抵抗性のドナーを選ぶ方法だけで、治療そのものが命がけのうえに成功例も2人しかない。
今回は、サルのHIVにあたるSHIVから免疫逃避に働く遺伝子...
HIVの感染者は、国内に2万人以上、世界全体で4000万人近くいる。致死的なエイズ(後天性免疫不全症候群)発症を感染後の服用で防ぐ薬はあるけれど、慢性感染の状態で抑え込むのがやっとで、服薬を生涯続けなければならない。最初から薬を得られず、あるいは政治や経済の事情によって服薬を続けられず、発症して亡くなる人はアフリカを中心に年約100万人に上る。
そんななか、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の研究班が10月、HIVを体内から排除できるかもしれない技術を開発したと『NPJ Vaccines』誌に論文発表した。これまで排除に成功していたのは、白血病の治療として骨髄移植を受ける際にHIV抵抗性のドナーを選ぶ方法だけで、治療そのものが命がけのうえに成功例も2人しかない。
今回は、サルのHIVにあたるSHIVから免疫逃避に働く遺伝子を
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