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間違いだらけのHTA

「アデュカヌマブ」欧州CHMP決定の意味

第78回

横浜市立大学医学群健康社会医学ユニット東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学 五十嵐中

2022年1月1日号

 12月17日、欧州医薬品庁(EMA)の下部組織である欧州医薬品委員会(CHMP)は、「アデュカヌマブ」(一般名、商品名「アデュヘルム」)について「承認拒否」を勧告する意見(※1)を出した。  アデュカヌマブに関しては米国でも、FDA(食品医薬品局)の末梢・中枢神経作用薬アドバイザリー委員会が「認知機能低下を遅らせるエビデンスは不十分である」意の提案を20年11月に採択したものの、最終的には21年6月に追加的なエビデンス収集を課しつつ、使用を認める迅速承認に至った。 「下部委員会が否定的な意見」という観点では両者に共通点がみられるが、「外部専門家」の立場であるアドバイザリー委員会から否定された米国のケースと、組織で中心的な機能を果たすCHMPから否定された欧州のケースでは、やや様相が異なってくる。  FDAのアドバイザリー委員会の決定...  12月17日、欧州医薬品庁(EMA)の下部組織である欧州医薬品委員会(CHMP)は、「アデュカヌマブ」(一般名、商品名「アデュヘルム」)について「承認拒否」を勧告する意見(※1)を出した。  アデュカヌマブに関しては米国でも、FDA(食品医薬品局)の末梢・中枢神経作用薬アドバイザリー委員会が「認知機能低下を遅らせるエビデンスは不十分である」意の提案を20年11月に採択したものの、最終的には21年6月に追加的なエビデンス収集を課しつつ、使用を認める迅速承認に至った。 「下部委員会が否定的な意見」という観点では両者に共通点がみられるが、「外部専門家」の立場であるアドバイザリー委員会から否定された米国のケースと、組織で中心的な機能を果たすCHMPから否定された欧州のケースでは、やや様相が異なってくる。  FDAのアドバイザリー委員会の決定は

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