そこが知りたい はい、いでがわですが
臨床研究と患者の人権
第2シリーズ① 同意なき臨床試験
ジャーナリスト 出河雅彦
2022年1月1日号
『事例検証 臨床研究と患者の人権』(医薬経済社刊)で取り上げた6つの臨床研究事例の概略を紹介する本連載の第2シリーズは、金沢大学医学部附属病院(現・金沢大学附属病院)で、卵巣がん患者を対象に行われた抗がん剤の比較臨床試験の被験者となった女性の遺族が国(のちに国立大学法人金沢大学)を相手取り、無断で被験者にされたことで自己決定権を侵害されたとして損害賠償を求めた訴訟である。
話が信じられなかった
のちに金沢地裁判決が認定した診療経過によれば、女性(以下、Kさんと言う)は1997年5月に「子宮筋腫」のため子宮の摘出手術を受けた。その後、食欲不振や体重減少がみられたことから、金沢大学病院を受診して、「子宮頸部断端がん」と診断された。同年12月に腫瘍の摘出などを目的に行われた開腹手術で、右の卵巣と膣の断端部に腫瘍が見つ...
『事例検証 臨床研究と患者の人権』(医薬経済社刊)で取り上げた6つの臨床研究事例の概略を紹介する本連載の第2シリーズは、金沢大学医学部附属病院(現・金沢大学附属病院)で、卵巣がん患者を対象に行われた抗がん剤の比較臨床試験の被験者となった女性の遺族が国(のちに国立大学法人金沢大学)を相手取り、無断で被験者にされたことで自己決定権を侵害されたとして損害賠償を求めた訴訟である。
話が信じられなかった
のちに金沢地裁判決が認定した診療経過によれば、女性(以下、Kさんと言う)は1997年5月に「子宮筋腫」のため子宮の摘出手術を受けた。その後、食欲不振や体重減少がみられたことから、金沢大学病院を受診して、「子宮頸部断端がん」と診断された。同年12月に腫瘍の摘出などを目的に行われた開腹手術で、右の卵巣と膣の断端部に腫瘍が見つかっ
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録