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医工連携

VEGFを脳内で徐放するゲル

医工連携の実践者60 村岡貴博 東京農工大学教授

2022年1月15日号

 我が国のメジャーな死因である脳梗塞では、運良く生き残った多くの患者も、血液供給を断たれて大量の脳神経細胞が死んでしまうことによる機能障害に苦しむ。  麻痺した部位が一定以下なら、日進月歩のリハビリ技術が社会復帰を助けてくれる。しかし一定を超えると、生涯寝たきりで過ごすしかなくなり、その介護に必要な費用は年1兆円を超えている。  この状況を変えるべく、脳神経細胞の再生と末梢機能再生を狙って、脳へ幹細胞や間質細胞の自家移植を行おうとするアプローチがあり、一定の成果も出ている。だが自家移植である限り費用や手間などのハードルは高く、年に何万人も発生する重度脳梗塞患者に広く用いるのは現実的でない。  細胞移植の効果は、移植した細胞自身が脳神経細胞へと分化するわけではなく、その分泌する液性因子の作用によ...  我が国のメジャーな死因である脳梗塞では、運良く生き残った多くの患者も、血液供給を断たれて大量の脳神経細胞が死んでしまうことによる機能障害に苦しむ。  麻痺した部位が一定以下なら、日進月歩のリハビリ技術が社会復帰を助けてくれる。しかし一定を超えると、生涯寝たきりで過ごすしかなくなり、その介護に必要な費用は年1兆円を超えている。  この状況を変えるべく、脳神経細胞の再生と末梢機能再生を狙って、脳へ幹細胞や間質細胞の自家移植を行おうとするアプローチがあり、一定の成果も出ている。だが自家移植である限り費用や手間などのハードルは高く、年に何万人も発生する重度脳梗塞患者に広く用いるのは現実的でない。  細胞移植の効果は、移植した細胞自身が脳神経細胞へと分化するわけではなく、その分泌する液性因子の作用による

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