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臨床研究と患者の人権

第2シリーズ② 同意なき臨床試験

ジャーナリスト 出河雅彦

2022年1月15日号

 金沢大学医学部附属病院(現・金沢大学附属病院)で、卵巣がん患者を対象に行われた抗がん剤の比較臨床試験の被験者となった女性(以下、Kさんと言う)の遺族が国(のちに国立大学法人金沢大学)に損害賠償を求めた訴訟では、原告側が訴状において、臨床試験を行った教授の違法行為として次の2点を指摘した。 1.卵巣がんの化学療法の有効性を比較する臨床試験として、CAP療法(シスプラチン、シクロフォスファミド、アドリアマイシンの3種類の抗がん剤を併用する治療法)とCP療法(アドリアマイシンを除いた2種類の抗がん剤を用いる治療法)の比較臨床試験がもはやその必要性を失ったことを十分認識しながら、Kほか52名の患者に対し、1995年から1998年にかけて、CAP療法とCP療法を比較するための不必要な臨床試験を行った。 2.CAP療法とCP療法のそれぞれの副作...  金沢大学医学部附属病院(現・金沢大学附属病院)で、卵巣がん患者を対象に行われた抗がん剤の比較臨床試験の被験者となった女性(以下、Kさんと言う)の遺族が国(のちに国立大学法人金沢大学)に損害賠償を求めた訴訟では、原告側が訴状において、臨床試験を行った教授の違法行為として次の2点を指摘した。 1.卵巣がんの化学療法の有効性を比較する臨床試験として、CAP療法(シスプラチン、シクロフォスファミド、アドリアマイシンの3種類の抗がん剤を併用する治療法)とCP療法(アドリアマイシンを除いた2種類の抗がん剤を用いる治療法)の比較臨床試験がもはやその必要性を失ったことを十分認識しながら、Kほか52名の患者に対し、1995年から1998年にかけて、CAP療法とCP療法を比較するための不必要な臨床試験を行った。 2.CAP療法とCP療法のそれぞれの副作用

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