医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

Dear Tomorrow 新しいヘルスケアマーケティング

進化した喘息治療

第101回 個別医療と抗体医薬の適応

ジョージメイスン大学大学院(バージニア州)パブリックヘルス専攻  堀玲子

2022年1月15日号

 抗体医薬の導入は喘息の治療にも画期的な効果をもたらしている。吸入ステロイドが頻繁に使用されるようになった00年前後から、喘息死は年間1500人前後で落ち着いているが、それでも「喘息死ゼロ」という厚生労働省の目標には及んでいない。喘息死の恐ろしさは、ある日突然、道端で倒れて亡くなるケースが多々あることだ。  死亡者の89%が65歳以上の高齢者という実態から、喘息以外にさまざまな疾患も併発していることが多いと推察される。独居高齢者も増加しており、喘息のような疾患は想像するよりも治療管理は複雑だ。体力や認知能力の衰えを抱えながら、1人で管理していくのは至難の業である。喘息悪化による医療費の上昇も課題のひとつだ。  治療の基本となる吸入ステロイドは、ここ数年で技術的にもかなりの発展を遂げた。筆者が製薬企業で多くのプロジェクトに関わっ...  抗体医薬の導入は喘息の治療にも画期的な効果をもたらしている。吸入ステロイドが頻繁に使用されるようになった00年前後から、喘息死は年間1500人前後で落ち着いているが、それでも「喘息死ゼロ」という厚生労働省の目標には及んでいない。喘息死の恐ろしさは、ある日突然、道端で倒れて亡くなるケースが多々あることだ。  死亡者の89%が65歳以上の高齢者という実態から、喘息以外にさまざまな疾患も併発していることが多いと推察される。独居高齢者も増加しており、喘息のような疾患は想像するよりも治療管理は複雑だ。体力や認知能力の衰えを抱えながら、1人で管理していくのは至難の業である。喘息悪化による医療費の上昇も課題のひとつだ。  治療の基本となる吸入ステロイドは、ここ数年で技術的にもかなりの発展を遂げた。筆者が製薬企業で多くのプロジェクトに関わって

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence