医薬経済オンライン

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薬のおカネを議論しよう

製薬マネー調査の現状と展望

第57回

医療ガバナンス研究所医師  尾崎章彦

2022年1月15日号

 21年は、医療ガバナンス研究所の製薬マネー調査チームにとって、飛躍の1年だった。最大の進歩は、製薬マネーが臨床現場に与えている影響を明らかにするための方法論を確立したことだ。  17年に製薬マネー調査を開始して以来、筆者らは合計で34本の論文を発表してきた。そして、その大部分は、指導的地位にある医療者の謝金や寄付金の受け取りの多寡を主たる評価項目として実施してきたものだ。  例えば、日本の主要医学学会19の理事が受け取った謝金を調べたところ、『米国医師会雑誌内科版』に19年に掲載された論文では、405人の学会理事のうち86.9%に当たる352人が製薬企業からの謝金を受け取っており、その中央値が84万円だったことを明らかにした。この調査が有力な医学雑誌に掲載されたことからも、医療界にとって金銭的利益相反の主たるソースである製薬企業との金銭...  21年は、医療ガバナンス研究所の製薬マネー調査チームにとって、飛躍の1年だった。最大の進歩は、製薬マネーが臨床現場に与えている影響を明らかにするための方法論を確立したことだ。  17年に製薬マネー調査を開始して以来、筆者らは合計で34本の論文を発表してきた。そして、その大部分は、指導的地位にある医療者の謝金や寄付金の受け取りの多寡を主たる評価項目として実施してきたものだ。  例えば、日本の主要医学学会19の理事が受け取った謝金を調べたところ、『米国医師会雑誌内科版』に19年に掲載された論文では、405人の学会理事のうち86.9%に当たる352人が製薬企業からの謝金を受け取っており、その中央値が84万円だったことを明らかにした。この調査が有力な医学雑誌に掲載されたことからも、医療界にとって金銭的利益相反の主たるソースである製薬企業との金銭関

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