看護学者から見た個別化医療とグローバリズム
他人事と自分事
第54回 「患者さんの立場になって」、その現実は
大阪大学大学院医学系研究科/公益財団法人浅香山病院 山川みやえ
2022年2月1日号
医療者で生死を意識しない人などいるのだろうか。ただ、考えるにしても、「どういう死がいいのか」という問いの答えを出したくなくて、「死ぬ場所はどこがイイか」と、もっともらしいテーマにとどめ、本質的な問いから逃げてるように思える。
病気は本人の人生設計とはまったく無関係に不平等に起こる。生活習慣病などによる血管性の重篤な問題や、新型コロナウイルス感染症などの感染症であれば、ある程度展開は予想でき、対処方法も少しはわかる。だが、難病に多い変性疾患になった場合は、世界がガラッと変わる。認知症疾患はその最たるものだ。私は認知症のケアをより良くしたくて、20年弱仕事をしてきた。その間に大勢の人の話を聞く機会があったが、いまだに「認知症ってこうなんですよ」とは言えない。認知症に対する人々の考えや感じ方は多様だ。
研究のなかで、...
医療者で生死を意識しない人などいるのだろうか。ただ、考えるにしても、「どういう死がいいのか」という問いの答えを出したくなくて、「死ぬ場所はどこがイイか」と、もっともらしいテーマにとどめ、本質的な問いから逃げてるように思える。
病気は本人の人生設計とはまったく無関係に不平等に起こる。生活習慣病などによる血管性の重篤な問題や、新型コロナウイルス感染症などの感染症であれば、ある程度展開は予想でき、対処方法も少しはわかる。だが、難病に多い変性疾患になった場合は、世界がガラッと変わる。認知症疾患はその最たるものだ。私は認知症のケアをより良くしたくて、20年弱仕事をしてきた。その間に大勢の人の話を聞く機会があったが、いまだに「認知症ってこうなんですよ」とは言えない。認知症に対する人々の考えや感じ方は多様だ。
研究のなかで、ある
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