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臨床研究と患者の人権

第2シリーズ③ 同意なき臨床試験

ジャーナリスト 出河雅彦

2022年2月1日号

 金沢大学医学部附属病院(現・金沢大学附属病院)で、卵巣がん患者を対象に行われた抗がん剤の比較臨床試験の被験者となった女性(以下、Kさんと言う)の遺族が損害賠償を求めた訴訟で、被告の国は、提訴から8ヵ月後の2000年2月、「北陸GOG卵巣癌症例登録票」と、Kさんの主治医だったA医師の陳述書を証拠として金沢地裁に提出した。  その内容を見て、原告側は驚いた。すでに原告側の手元にあった「北陸GOG卵巣癌症例登録票」とは異なる内容だったからだ。原告側が入手していた症例登録票は、原告代理人の敦賀彰一弁護士から「Kさんが無断で被験者にされた臨床試験の症例登録票を念のためコピーしておいてほしい」と依頼を受けた打出喜義医師が、提訴前に産婦人科医局でコピーしておいたものだった。症例登録票は、患者ごとに作成されたものと、患者名を一覧表にしたものが...  金沢大学医学部附属病院(現・金沢大学附属病院)で、卵巣がん患者を対象に行われた抗がん剤の比較臨床試験の被験者となった女性(以下、Kさんと言う)の遺族が損害賠償を求めた訴訟で、被告の国は、提訴から8ヵ月後の2000年2月、「北陸GOG卵巣癌症例登録票」と、Kさんの主治医だったA医師の陳述書を証拠として金沢地裁に提出した。  その内容を見て、原告側は驚いた。すでに原告側の手元にあった「北陸GOG卵巣癌症例登録票」とは異なる内容だったからだ。原告側が入手していた症例登録票は、原告代理人の敦賀彰一弁護士から「Kさんが無断で被験者にされた臨床試験の症例登録票を念のためコピーしておいてほしい」と依頼を受けた打出喜義医師が、提訴前に産婦人科医局でコピーしておいたものだった。症例登録票は、患者ごとに作成されたものと、患者名を一覧表にしたものがあり

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