医薬経済オンライン

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薬のおカネを議論しよう

利益相反透明化の次に必要なもの

第60回

医療ガバナンス研究所医師  谷本哲也

2022年3月1日号

 ロバート・カリフ氏は2月17日、米国食品医薬品局(FDA)の長官に就任した。先立って行われた同氏の就任可否に関する米国上院での投票結果は50対47で、かろうじての可決だった。1年以上空席のままだったポジションがようやく埋まったわけだが、争点となったのはオピオイド蔓延対策と中絶薬の扱い、そして同氏の医薬品産業界とのあまりにも密接な利益相反関係である。  医療における利益相反はなくせば済むかというと、そう単純なものでもない。新たな医薬品医療機器の開発や臨床試験の円滑な遂行のためには、医療者側と産業界との協力関係は不可欠だし、必然的に金銭的関係も生じてくる。カリフ氏が産業界と密接な関係を持っていることは、長官を務めるに相応しい経験と実績を持っていることの証左とも解釈可能なのだ。同氏の詳細な利益相反の報告書が公開され、『ネイチャー』や『フォー...  ロバート・カリフ氏は2月17日、米国食品医薬品局(FDA)の長官に就任した。先立って行われた同氏の就任可否に関する米国上院での投票結果は50対47で、かろうじての可決だった。1年以上空席のままだったポジションがようやく埋まったわけだが、争点となったのはオピオイド蔓延対策と中絶薬の扱い、そして同氏の医薬品産業界とのあまりにも密接な利益相反関係である。  医療における利益相反はなくせば済むかというと、そう単純なものでもない。新たな医薬品医療機器の開発や臨床試験の円滑な遂行のためには、医療者側と産業界との協力関係は不可欠だし、必然的に金銭的関係も生じてくる。カリフ氏が産業界と密接な関係を持っていることは、長官を務めるに相応しい経験と実績を持っていることの証左とも解釈可能なのだ。同氏の詳細な利益相反の報告書が公開され、『ネイチャー』や『フォーブス

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