医薬経済オンライン

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「脇役たち」の矜恃 〜被災地からの言付け〜

歌津の躑躅ヶ崎館

第7回

薬剤師:武田雄高

2022年3月15日号

 躑躅ヶ崎(つつじがさき)館は甲斐国・武田信玄公の居城である。  歴史は繰り返すと言われるが、体験した災害を史実として伝承することができるだろうか。祈念碑を建てて満足してないか。そんな疑心が頭をよぎる。歴史的な惨事は出来事として記録に残るが、教科書や年表に記されると異次元の過去に感じてしまい現実味がなくなる。ネット動画に残される映像はあれど発災の瞬間に過ぎず、それだけでは記憶の伝承とは呼べない。その瞬間以降に私たちがどのように考え行動したか、復旧への政府対応はどのようだったか、どのような歩みを経て現在に至るのか。将来の被災者となり得る後世には警告と対策に加えて生きる希望も伝えてやらねばなるまい。  宮城県南三陸町歌津地区は人口約4000人。気仙沼市の隣町で沿岸部ながら山間部も多い。外洋を望むリアス式海岸らしい地形には釣り...  躑躅ヶ崎(つつじがさき)館は甲斐国・武田信玄公の居城である。  歴史は繰り返すと言われるが、体験した災害を史実として伝承することができるだろうか。祈念碑を建てて満足してないか。そんな疑心が頭をよぎる。歴史的な惨事は出来事として記録に残るが、教科書や年表に記されると異次元の過去に感じてしまい現実味がなくなる。ネット動画に残される映像はあれど発災の瞬間に過ぎず、それだけでは記憶の伝承とは呼べない。その瞬間以降に私たちがどのように考え行動したか、復旧への政府対応はどのようだったか、どのような歩みを経て現在に至るのか。将来の被災者となり得る後世には警告と対策に加えて生きる希望も伝えてやらねばなるまい。  宮城県南三陸町歌津地区は人口約4000人。気仙沼市の隣町で沿岸部ながら山間部も多い。外洋を望むリアス式海岸らしい地形には釣り人が

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