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財界論

財界と企業倫理(上)

第18回 「社会的責任」叫ぶ同友会

茨城大学名誉教授 古賀純一郎

2022年3月15日号

 財界は企業倫理や社会的な責任に関心があるのだろうか。利益最優先で賃上げを抑え込み、国内総生産(GDP)の規模に迫る484兆円まで内部留保を膨れ上がらせるほどだからさほど重視していないのでは、と考える向きは少なくなかろう。ところがどっこい、意外や意外、戦後間もなくからこの議論をスタートさせている。不祥事を封じ込めるために1990年代に企業行動憲章を策定した日本経団連は、ここにきて人権尊重の重視に大きく踏み出した。今回は無縁とも思える企業倫理、社会的責任と財界について考察しよう。  財界と聞いて多くは何を思い浮かべるのだろう。やや極端かもしれないが、一昔前だと札束で政治家を自在に操る資本家群、あるいは低賃金で長時間労働を迫る労務屋集団。高度成長を通じてかなり改善したものの、そのイメージをわずかながらも残しているのは残念なこと...  財界は企業倫理や社会的な責任に関心があるのだろうか。利益最優先で賃上げを抑え込み、国内総生産(GDP)の規模に迫る484兆円まで内部留保を膨れ上がらせるほどだからさほど重視していないのでは、と考える向きは少なくなかろう。ところがどっこい、意外や意外、戦後間もなくからこの議論をスタートさせている。不祥事を封じ込めるために1990年代に企業行動憲章を策定した日本経団連は、ここにきて人権尊重の重視に大きく踏み出した。今回は無縁とも思える企業倫理、社会的責任と財界について考察しよう。  財界と聞いて多くは何を思い浮かべるのだろう。やや極端かもしれないが、一昔前だと札束で政治家を自在に操る資本家群、あるいは低賃金で長時間労働を迫る労務屋集団。高度成長を通じてかなり改善したものの、そのイメージをわずかながらも残しているのは残念なこと。謙

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