医薬経済オンライン

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コロナ禍3年で噛み締める「日の丸ドラッグ」の幻想

語るに落ちた「21世紀のリーディング産業」論

2022年4月1日号

 3月末で国内臨床試験を事実上終了した富士フイルム富山化学の抗インフルエンザ薬「アビガン」をめぐる大手メディアの報道は、従来の新型コロナウイルスと比べて重症化率が低いオミクロン株の拡大で、有効性の検証が困難になったとする富士フイルムホールディングの発表を、ほぼそのまま流すものだった。ワクチンの開発と接種がそれなりに進み、感染への恐怖がひと頃に比べれば薄らいだとはいえ、一国の総理がいく度も公の場で喧伝し、血税まで投入した「公共事業」のエンディングである。政治的に「終わった人」の失敗を、後からあげつらうのを嫌う風土が根強いとはいえ、これでは報道機関として無責任が過ぎる。  そこで、代りに実相と向き合おう。「アビガン騒動」とは何だったか。端的に述べれば、政治としての“結果出し”を優先するため、クスリに欠かせない科学的検証プロセスを「緊...  3月末で国内臨床試験を事実上終了した富士フイルム富山化学の抗インフルエンザ薬「アビガン」をめぐる大手メディアの報道は、従来の新型コロナウイルスと比べて重症化率が低いオミクロン株の拡大で、有効性の検証が困難になったとする富士フイルムホールディングの発表を、ほぼそのまま流すものだった。ワクチンの開発と接種がそれなりに進み、感染への恐怖がひと頃に比べれば薄らいだとはいえ、一国の総理がいく度も公の場で喧伝し、血税まで投入した「公共事業」のエンディングである。政治的に「終わった人」の失敗を、後からあげつらうのを嫌う風土が根強いとはいえ、これでは報道機関として無責任が過ぎる。  そこで、代りに実相と向き合おう。「アビガン騒動」とは何だったか。端的に述べれば、政治としての“結果出し”を優先するため、クスリに欠かせない科学的検証プロセスを「緊急事

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