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医工連携

素早く止血できる合成ゲル

医工連携の実践者65 酒井崇匡 東京大学教授

2022年4月1日号

 外科手術では、出血の制御に多くの時間が費やされている。軽度な出血なら自然な血液凝固反応によって止まるが、動脈や太い静脈からの出血が自然に止まることはなく、医師が圧迫や血管縫合で助ける。足りない場合には、止血剤の併用が必要となる。そうした止血に要する時間が短ければ短いほど、手術時間も短くなり、患者と医療スタッフの負担は軽くなる。  実用化されている止血剤は、血液凝固反応を加速させる生物由来物質タイプ、血液凝固反応とは別の機序で作用を発揮する合成物タイプに大きく分かれ、それぞれ一長一短だ。  まず血液凝固を加速させるタイプは、効果が素早く事後の炎症も起きにくいものの、生物由来のため感染症のリスクを否定できない。一方の合成物タイプは、止血までに最低でも数分かかってしまう。  3月初旬、感染症の心配...  外科手術では、出血の制御に多くの時間が費やされている。軽度な出血なら自然な血液凝固反応によって止まるが、動脈や太い静脈からの出血が自然に止まることはなく、医師が圧迫や血管縫合で助ける。足りない場合には、止血剤の併用が必要となる。そうした止血に要する時間が短ければ短いほど、手術時間も短くなり、患者と医療スタッフの負担は軽くなる。  実用化されている止血剤は、血液凝固反応を加速させる生物由来物質タイプ、血液凝固反応とは別の機序で作用を発揮する合成物タイプに大きく分かれ、それぞれ一長一短だ。  まず血液凝固を加速させるタイプは、効果が素早く事後の炎症も起きにくいものの、生物由来のため感染症のリスクを否定できない。一方の合成物タイプは、止血までに最低でも数分かかってしまう。  3月初旬、感染症の心配が

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