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間違いだらけのHTA

NICE新GLの「重篤疾患特例」とは

第81回

横浜市立大学医学群健康社会医学ユニット東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学 五十嵐中

2022年4月1日号

 22年2月1日付で、正式に英NICEの評価手法の改訂版のガイドライン(GL)が公表されたので内容を紹介したい。ここでの「GL」は、個別品目の推奨の可否についてではなく、分析手法や評価手法に関するGLを指す。いわゆる「終末期特例」を発展的に解消し、「重篤疾患特例」として適用範囲をより広く設定し直している。  終末期の患者を一定程度延命できる薬剤については、増分費用効果比(ICER)の基準値2万〜3万ポンド/QALY(質調整生存年)が、5万ポンド/QALYまで引き上げられてきた。対象は血液がんも含めた広義のがん治療薬がほとんどだが、がん治療薬でも1次治療などのケースでは、既存治療でもある程度の余命が見込めるとして、特例の対象外になることもあった。基準値引き上げのもうひとつの代表格は、「ゾルゲンスマ」(脊髄性筋萎縮症)などに適用されてきた超希少疾病(HST)ルー...  22年2月1日付で、正式に英NICEの評価手法の改訂版のガイドライン(GL)が公表されたので内容を紹介したい。ここでの「GL」は、個別品目の推奨の可否についてではなく、分析手法や評価手法に関するGLを指す。いわゆる「終末期特例」を発展的に解消し、「重篤疾患特例」として適用範囲をより広く設定し直している。  終末期の患者を一定程度延命できる薬剤については、増分費用効果比(ICER)の基準値2万〜3万ポンド/QALY(質調整生存年)が、5万ポンド/QALYまで引き上げられてきた。対象は血液がんも含めた広義のがん治療薬がほとんどだが、がん治療薬でも1次治療などのケースでは、既存治療でもある程度の余命が見込めるとして、特例の対象外になることもあった。基準値引き上げのもうひとつの代表格は、「ゾルゲンスマ」(脊髄性筋萎縮症)などに適用されてきた超希少疾病(HST)ルールだ

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