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臨床研究と患者の人権

第2シリーズ⑦ 同意なき臨床試験

ジャーナリスト 出河雅彦

2022年4月1日号

金沢地検  金沢大学医学部附属病院(現・金沢大学附属病院)で、卵巣がん患者を対象に行われた抗がん剤の比較臨床試験の被験者となった女性(以下、Kさんと言う)の遺族が損害賠償を求めた訴訟は最高裁の上告棄却の決定で控訴審判決が確定した。訴訟終結後、原告側を支援してきた打出喜義医師はひとつの行動を起こした。  北陸GOGクリニカルトライアルの責任者であった井上正樹教授と、無断で被験者にされたことの責任追及を夫に託して亡くなったKさんの主治医で同トライアルの事務局を担当としていたA医師(当時・講師)に対し、内容虚偽の症例登録票を作成したり、法廷で虚偽の証言をしたりした行為が偽証などの罪に当たる、として金沢地検に刑事告発したのである。  すでに述べてきたように、Kさんの遺族が起こした民事訴訟では、原告、被告双方が内容の... 金沢地検  金沢大学医学部附属病院(現・金沢大学附属病院)で、卵巣がん患者を対象に行われた抗がん剤の比較臨床試験の被験者となった女性(以下、Kさんと言う)の遺族が損害賠償を求めた訴訟は最高裁の上告棄却の決定で控訴審判決が確定した。訴訟終結後、原告側を支援してきた打出喜義医師はひとつの行動を起こした。  北陸GOGクリニカルトライアルの責任者であった井上正樹教授と、無断で被験者にされたことの責任追及を夫に託して亡くなったKさんの主治医で同トライアルの事務局を担当としていたA医師(当時・講師)に対し、内容虚偽の症例登録票を作成したり、法廷で虚偽の証言をしたりした行為が偽証などの罪に当たる、として金沢地検に刑事告発したのである。  すでに述べてきたように、Kさんの遺族が起こした民事訴訟では、原告、被告双方が内容の異な

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