薬のおカネを議論しよう
ワクチンラグと緊急承認制度
第62回
医療ガバナンス研究所医師 谷本哲也
2022年4月1日号
欧米で普及しているワクチンが、日本ではなかなか使えないことを指す用語が「ワクチンラグ」だ。例えば、ヒトパピローマウイルスに対する「ガーダシル」(MSD)は国際誕生年の06年から国内販売開始年の11年まで5年、インフルエンザ菌b型に対する「アクトヒブ」(サノフィ)は92年から08年まで16年、ポリオウイルスに対する「イモバックスポリオ」(サノフィ)に至っては82年から12年まで30年もの期間を要した。
過去にこのようなワクチンラグが存在していた日本の特殊な状況については、私達のグループから英医学誌『ランセット』などで発表を行い、国際的にも注目を集めた。ワクチンラグが生じる理由は、国産ワクチンが存在する品目では競合する海外製品の承認申請を原則的に歓迎せず、また、海外での使用実績がいくら豊富にあっても改めて日本人での治験データの提出を求めるという参...
欧米で普及しているワクチンが、日本ではなかなか使えないことを指す用語が「ワクチンラグ」だ。例えば、ヒトパピローマウイルスに対する「ガーダシル」(MSD)は国際誕生年の06年から国内販売開始年の11年まで5年、インフルエンザ菌b型に対する「アクトヒブ」(サノフィ)は92年から08年まで16年、ポリオウイルスに対する「イモバックスポリオ」(サノフィ)に至っては82年から12年まで30年もの期間を要した。
過去にこのようなワクチンラグが存在していた日本の特殊な状況については、私達のグループから英医学誌『ランセット』などで発表を行い、国際的にも注目を集めた。ワクチンラグが生じる理由は、国産ワクチンが存在する品目では競合する海外製品の承認申請を原則的に歓迎せず、また、海外での使用実績がいくら豊富にあっても改めて日本人での治験データの提出を求めるという参入障
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録