医薬経済オンライン

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武田ロシア「工場」で退っ引きならない事態

製薬企業に問われる接収リスクと人道主義

2022年4月15日号

 10年前に武田薬品が行ったスイス・ナイコメッドの買収は失敗だったのだろうか。11年9月、武田はロシアや旧ソ連圏、東欧諸国など新興国市場に強みを持つナイコメッドを96億ユーロ(当時約1兆1000億円)で買収。翌12年にモスクワから280キロ北東のヤロスラブリに工場を開設し、本格的にロシア市場への進出を開始した。当時、社長だった長谷川閑史氏は、それまで進出できなかった新興国市場への販路が拓けるとし、「弱点であった部分が相当補強される」と買収に自信を見せていた。 ヤロスラブリの工場はロシアにとっても不可欠  だが現在、ロシアによるウクライナ侵攻で、両国での事業に暗雲が立ち込めている。カントリーリスクに対する懸念は、買収当初から社内にあり、買収を諮った取締役会では長谷川氏以外の全員が難色を示していたとさえ言われる。確かにナイコメッドの...  10年前に武田薬品が行ったスイス・ナイコメッドの買収は失敗だったのだろうか。11年9月、武田はロシアや旧ソ連圏、東欧諸国など新興国市場に強みを持つナイコメッドを96億ユーロ(当時約1兆1000億円)で買収。翌12年にモスクワから280キロ北東のヤロスラブリに工場を開設し、本格的にロシア市場への進出を開始した。当時、社長だった長谷川閑史氏は、それまで進出できなかった新興国市場への販路が拓けるとし、「弱点であった部分が相当補強される」と買収に自信を見せていた。 ヤロスラブリの工場はロシアにとっても不可欠  だが現在、ロシアによるウクライナ侵攻で、両国での事業に暗雲が立ち込めている。カントリーリスクに対する懸念は、買収当初から社内にあり、買収を諮った取締役会では長谷川氏以外の全員が難色を示していたとさえ言われる。確かにナイコメッドの買

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