医薬経済オンライン

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変革期迎えた中国医薬品業界

薬剤費が増え続ける要因

第60回 豊かになっていく国の「宿命」か

シード・プランニング 沈友敏

2022年4月15日号

 中国政府は高騰する薬剤費を削減するために、さまざまな手法を駆使している。具体的には、薬価差益ゼロ政策の推進、保険収載品の価格交渉の徹底、政府主導の入札制度の実施、中国版「DRG/PPS」の導入、病院の薬剤使用品目の制限などが挙げられる。あの手この手を尽くしてはいるが、薬剤費を抑えるまでには至っていない。  今回は、薬剤費が増加し続ける要因を考えてみたい。  国家衛生健康委員会(NHC、日本の厚生労働省にあたる省庁)がまとめた『2021年中国衛生健康統計年鑑』によると、20年の衛生総費用(Total Health Expend-iture:総保健医療支出)は、前年より9.6%増の7兆2175億元(126兆3063億円、1元=17.5円で換算)で、国内総生産(GDP)に占める割合は前年より0.43ポイント増の7.10%となった。いずれも過去最高を更新した。ただし、伸び率は01年以来19年ぶり...  中国政府は高騰する薬剤費を削減するために、さまざまな手法を駆使している。具体的には、薬価差益ゼロ政策の推進、保険収載品の価格交渉の徹底、政府主導の入札制度の実施、中国版「DRG/PPS」の導入、病院の薬剤使用品目の制限などが挙げられる。あの手この手を尽くしてはいるが、薬剤費を抑えるまでには至っていない。  今回は、薬剤費が増加し続ける要因を考えてみたい。  国家衛生健康委員会(NHC、日本の厚生労働省にあたる省庁)がまとめた『2021年中国衛生健康統計年鑑』によると、20年の衛生総費用(Total Health Expend-iture:総保健医療支出)は、前年より9.6%増の7兆2175億元(126兆3063億円、1元=17.5円で換算)で、国内総生産(GDP)に占める割合は前年より0.43ポイント増の7.10%となった。いずれも過去最高を更新した。ただし、伸び率は01年以来19年ぶりに2

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