医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

そこが知りたい はい、いでがわですが

臨床研究と患者の人権

第2シリーズ⑧ 同意なき臨床試験

ジャーナリスト 出河雅彦

2022年4月15日号

金沢大学附属病院  金沢大学医学部附属病院(現・金沢大学附属病院)で、卵巣がん患者を対象に行われた抗がん剤の比較臨床試験の被験者となった女性(以下、Kさんと言う)の遺族が損害賠償を求めた「同意なき臨床試験訴訟」で、原告側を支援してきた打出喜義医師は訴訟の終結から8年後の2014年3月まで金沢大学に勤務し、61歳で退職した。 何を言われても我慢しろ  患者の遺族と自分が所属する組織とが争う訴訟において遺族の側を支援しながら仕事を続けることには大きな困難が伴った。教授から数々の嫌がらせを受けるなか、退職を考えたことがなかったわけではない。それを踏みとどまらせたのは、前任教授の西田悦郎氏の次のような助言だった。 「悪いことをしているわけではないのだから、何を言われても我慢しろ。外へ出た途端につぶされるが、... 金沢大学附属病院  金沢大学医学部附属病院(現・金沢大学附属病院)で、卵巣がん患者を対象に行われた抗がん剤の比較臨床試験の被験者となった女性(以下、Kさんと言う)の遺族が損害賠償を求めた「同意なき臨床試験訴訟」で、原告側を支援してきた打出喜義医師は訴訟の終結から8年後の2014年3月まで金沢大学に勤務し、61歳で退職した。 何を言われても我慢しろ  患者の遺族と自分が所属する組織とが争う訴訟において遺族の側を支援しながら仕事を続けることには大きな困難が伴った。教授から数々の嫌がらせを受けるなか、退職を考えたことがなかったわけではない。それを踏みとどまらせたのは、前任教授の西田悦郎氏の次のような助言だった。 「悪いことをしているわけではないのだから、何を言われても我慢しろ。外へ出た途端につぶされるが、大

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence