「脇役たち」の矜恃 〜被災地からの言付け〜
発信の手段
第8回
薬剤師:武田雄高
2022年4月15日号
気仙沼市の桜は4月下旬に満開を迎える。私の幼少期、もう約40年前になるが、当時は夏の港まつりと花見が気仙沼市の2大イベントだった。市内を流れる大川の土手に連なる赤提灯と満開の桜の下には出店が立ち並び、特設ステージではカラオケや演舞が行われていた。漁業の衰退に伴う町の景気悪化もあってなのか、いつの間にかそんな賑やかな花見の光景を目にすることもなくなってしまった。しかし私たちはいまでも桜の季節を心待ちにし、満開の瞬間だけでなくそれを待ち焦がれる時間すらも気持ちを前向きにしてくれる。 私の好きなマンガにある「桜にはどんな病気も治す力がある」というセリフは、非医学的ではあるのだが、個人的には一理あると恥ずかしながら本気で信じている。毎年楽しみにしていた自宅の、私が生まれた記念に、と父が植えた桜は津波による塩害で残念ながら朽ちてしまったが、震災後の...
気仙沼市の桜は4月下旬に満開を迎える。私の幼少期、もう約40年前になるが、当時は夏の港まつりと花見が気仙沼市の2大イベントだった。市内を流れる大川の土手に連なる赤提灯と満開の桜の下には出店が立ち並び、特設ステージではカラオケや演舞が行われていた。漁業の衰退に伴う町の景気悪化もあってなのか、いつの間にかそんな賑やかな花見の光景を目にすることもなくなってしまった。しかし私たちはいまでも桜の季節を心待ちにし、満開の瞬間だけでなくそれを待ち焦がれる時間すらも気持ちを前向きにしてくれる。 私の好きなマンガにある「桜にはどんな病気も治す力がある」というセリフは、非医学的ではあるのだが、個人的には一理あると恥ずかしながら本気で信じている。毎年楽しみにしていた自宅の、私が生まれた記念に、と父が植えた桜は津波による塩害で残念ながら朽ちてしまったが、震災後の支援
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