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財界論

財界と企業倫理(中)

第19回 危機感の中から生まれた企業行動憲章

茨城大学名誉教授 古賀純一郎

2022年4月15日号

かつての山一證券本社(東京中央区)  日本経団連は設立当初の定款でめざす目的を「経済界の公正なる意見をとりまとめ、その実現に努力し、もって国民経済の自立と健全なる発展を促進する」と規定した。法人税引き下げなどの政府への意見具申がこれに当たる。企業倫理や社会的責任などの記述はもちろんない。最近のSDGs(持続可能な開発目標)や人権尊重などへの注力は “企業エゴ”の殻に籠り続けていた1960年代からは隔世の感がある。  孤高を決め込む経団連が企業倫理を意識し始めたのは1970年初頭。ベトナム戦争に対する反戦運動が高揚、産業公害が社会問題化していた頃。高度成長のもたらした「ひずみ」の責任が問われ、商社の投機的な買い占めなどに対し批判が高まる。東京・大手町の財界の総本山はデモ隊に囲まれた。「諸悪の根源は経団連」との批判が燎原の火のよう... かつての山一證券本社(東京中央区)  日本経団連は設立当初の定款でめざす目的を「経済界の公正なる意見をとりまとめ、その実現に努力し、もって国民経済の自立と健全なる発展を促進する」と規定した。法人税引き下げなどの政府への意見具申がこれに当たる。企業倫理や社会的責任などの記述はもちろんない。最近のSDGs(持続可能な開発目標)や人権尊重などへの注力は “企業エゴ”の殻に籠り続けていた1960年代からは隔世の感がある。  孤高を決め込む経団連が企業倫理を意識し始めたのは1970年初頭。ベトナム戦争に対する反戦運動が高揚、産業公害が社会問題化していた頃。高度成長のもたらした「ひずみ」の責任が問われ、商社の投機的な買い占めなどに対し批判が高まる。東京・大手町の財界の総本山はデモ隊に囲まれた。「諸悪の根源は経団連」との批判が燎原の火のように

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