平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜
国連旗から読み解く国際情勢
第146回
琉球大学医学部非常勤講師 照井資規
2022年4月15日号
半径1キロの範囲だけを破壊する中性子爆弾は「戦術核兵器」として使える大量破壊兵器となった。これはロシアによるウクライナ軍事侵攻で、キーウ(キエフ)攻略の決め手になり得る。
図1にあるように、キーウの地下鉄は米ソ冷戦時代に核戦争に備えて建造されたものだ。破壊力のある水素爆弾を用いても内部に避難した人員を殺傷することは困難だ。しかし、中性子爆弾で16シーベルト以上の放射線被曝をさせれば、2週間後には全身の組織が再生されないため死亡する。もし、ロシアが戦術核兵器を使用した場合、ウクライナの国を挙げての抵抗を1発で沈黙させてしまうだろう。ロシア軍のキーウからの撤退は大量破壊兵器使用に備えての軍事行動である。目前の敵の一斉退避をその使用の兆候として備えるのは軍事上の常識だ。あえて残虐な殺戮をして撤退することはNATO(北大西洋条約機構)諸国の...
半径1キロの範囲だけを破壊する中性子爆弾は「戦術核兵器」として使える大量破壊兵器となった。これはロシアによるウクライナ軍事侵攻で、キーウ(キエフ)攻略の決め手になり得る。
図1にあるように、キーウの地下鉄は米ソ冷戦時代に核戦争に備えて建造されたものだ。破壊力のある水素爆弾を用いても内部に避難した人員を殺傷することは困難だ。しかし、中性子爆弾で16シーベルト以上の放射線被曝をさせれば、2週間後には全身の組織が再生されないため死亡する。もし、ロシアが戦術核兵器を使用した場合、ウクライナの国を挙げての抵抗を1発で沈黙させてしまうだろう。ロシア軍のキーウからの撤退は大量破壊兵器使用に備えての軍事行動である。目前の敵の一斉退避をその使用の兆候として備えるのは軍事上の常識だ。あえて残虐な殺戮をして撤退することはNATO(北大西洋条約機構)諸国の世
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