医薬経済オンライン

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読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー

コロナで雑になった医療

第193回

大西一幸

2022年5月15日号

不安の時代に、ケアを叫ぶ ポスト・コロナ時代の医療と介護にむけて 川口有美子 新城拓也 青土社/2022年3月刊  19年11月に起きた京都市の「ALS嘱託殺人事件」は、「殺人事件」とメディアも表現することにこだわりがなく、一般的には論議されてきた「安楽死」問題、国内では正確に言えば「積極的安楽死」の是非を問う議論もやや沈静化させた。私も積極的・消極的含め安楽死は無論だが、尊厳死、平穏死などといった言葉の存在も認めたくないひとり。自然死もニュアンスが多様だが、キュアもケアもしないという意味で使われる場合は認めない。京都の事件でまさに具現化された「医師の全能感」が、そうした論議に顔を出し、医師がパターナリスティックに介入することに大変強い嫌悪感がある。  いつも思うのだ。死の傍にいるから死を語れるという言い方が本当に正しいのだ... 不安の時代に、ケアを叫ぶ ポスト・コロナ時代の医療と介護にむけて 川口有美子 新城拓也 青土社/2022年3月刊  19年11月に起きた京都市の「ALS嘱託殺人事件」は、「殺人事件」とメディアも表現することにこだわりがなく、一般的には論議されてきた「安楽死」問題、国内では正確に言えば「積極的安楽死」の是非を問う議論もやや沈静化させた。私も積極的・消極的含め安楽死は無論だが、尊厳死、平穏死などといった言葉の存在も認めたくないひとり。自然死もニュアンスが多様だが、キュアもケアもしないという意味で使われる場合は認めない。京都の事件でまさに具現化された「医師の全能感」が、そうした論議に顔を出し、医師がパターナリスティックに介入することに大変強い嫌悪感がある。  いつも思うのだ。死の傍にいるから死を語れるという言い方が本当に正しいのだろう

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