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医工連携

乳がんを予後不良にする機構発見

医工連携の実践者67 島田緑 山口大学教授

2022年5月15日号

 乳がんは、日本の女性が最も多く罹患する悪性腫瘍で、毎年10万人ほど新たに診断を受ける。日本乳癌学会編の診療ガイドラインによれば、ステージⅢA期までは切除手術が第1選択となるが、それ以上の転移が見られたり手術後に再発したりした場合には、薬物療法が検討される。  その薬物選択の基準となるのが、がん細胞で2種類のホルモン受容体が陽性か否か、HER2が陽性か否か、増殖能力が高いか否かの3軸だ。  前2つが陰性だと「トリプルネガティブ」と呼ばれ極めて予後が悪い。ただ7割ほどの患者は、2種類のホルモン受容体、具体的に書くとエストロゲン受容体(ERα)かプロゲステロン受容体が陽性だ。その場合、リガンド結合などによる受容体からのシグナルで増殖が促されるため、リガンドと受容体の結合を抑制するホルモン療法が選ばれ、一時的には奏効する。し...  乳がんは、日本の女性が最も多く罹患する悪性腫瘍で、毎年10万人ほど新たに診断を受ける。日本乳癌学会編の診療ガイドラインによれば、ステージⅢA期までは切除手術が第1選択となるが、それ以上の転移が見られたり手術後に再発したりした場合には、薬物療法が検討される。  その薬物選択の基準となるのが、がん細胞で2種類のホルモン受容体が陽性か否か、HER2が陽性か否か、増殖能力が高いか否かの3軸だ。  前2つが陰性だと「トリプルネガティブ」と呼ばれ極めて予後が悪い。ただ7割ほどの患者は、2種類のホルモン受容体、具体的に書くとエストロゲン受容体(ERα)かプロゲステロン受容体が陽性だ。その場合、リガンド結合などによる受容体からのシグナルで増殖が促されるため、リガンドと受容体の結合を抑制するホルモン療法が選ばれ、一時的には奏効する。しかし

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