技術革新と製薬企業の明日
抗Aβ抗体開発競争の覇者は
第139回 山場迎えるアルツハイマー病薬
宮田総研代表取締役 宮田満
2022年5月15日号
5月6日、エーザイの株価が5520円まで暴落、最も高かった21年6月22日の1万2765円から半値以下となった。3日に同社が22年3月期の決算予想を修正、一気に当期利益を155億円(▲25.4%)も引き下げた結果である。売上げが伸び悩むアルツハイマー型認知症治療薬(抗アミロイドβ抗体)「アデュヘルム」の減損損失80億円と共同開発していた米バイオジェンが計上した在庫評価損のエーザイ負担分165億円を差し引いた。だが、4月15日号でも指摘したが、エーザイにとっては織り込み済みの痛みに過ぎない。本当の勝負は内藤晴夫CEOが3月に宣言した「抗Aβ抗体開発競争の第2章」にかかっている。
第2章の競争もし烈だ。先陣争いを繰り広げる米イーライリリー(ドナネマブ)とエーザイ/バイオジェン(レカネマブ)が米国で次世代の抗Aβ抗体の段階的製造承認申請を開始したのは、それぞれ21年8月と9月。...
5月6日、エーザイの株価が5520円まで暴落、最も高かった21年6月22日の1万2765円から半値以下となった。3日に同社が22年3月期の決算予想を修正、一気に当期利益を155億円(▲25.4%)も引き下げた結果である。売上げが伸び悩むアルツハイマー型認知症治療薬(抗アミロイドβ抗体)「アデュヘルム」の減損損失80億円と共同開発していた米バイオジェンが計上した在庫評価損のエーザイ負担分165億円を差し引いた。だが、4月15日号でも指摘したが、エーザイにとっては織り込み済みの痛みに過ぎない。本当の勝負は内藤晴夫CEOが3月に宣言した「抗Aβ抗体開発競争の第2章」にかかっている。
第2章の競争もし烈だ。先陣争いを繰り広げる米イーライリリー(ドナネマブ)とエーザイ/バイオジェン(レカネマブ)が米国で次世代の抗Aβ抗体の段階的製造承認申請を開始したのは、それぞれ21年8月と9月。わず
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