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臨床研究と患者の人権

第3シリーズ① 倫理指針逸脱した先進医療

ジャーナリスト 出河雅彦

2022年5月15日号

舞台は再び金沢大学附属病院  4月15日号までの計8回のシリーズで取り上げた「同意なき臨床試験訴訟」の終結から8年後の2014年4月22日、金沢大学附属病院を舞台とする臨床試験の不祥事が再び明るみに出た。この日記者会見を開いた金沢大学は、同大学の医師が開発し、厚生労働省の先進医療に指定されていた「カフェイン併用化学療法」が、同省が定めた「臨床研究に関する倫理指針」に違反していたことを明らかにした。  カフェイン併用化学療法は、悪性骨軟部腫瘍の患者を対象に、もともと強心利尿薬として承認されているカフェインを、併用する抗がん剤の作用増強を目的に薬事未承認の適応外で使用するもので、有効性・安全性を評価・確認する臨床試験として実施された。この臨床試験を行っていたのは、医学部整形外科学教室の土屋弘行教授らの研究グループである。 ... 舞台は再び金沢大学附属病院  4月15日号までの計8回のシリーズで取り上げた「同意なき臨床試験訴訟」の終結から8年後の2014年4月22日、金沢大学附属病院を舞台とする臨床試験の不祥事が再び明るみに出た。この日記者会見を開いた金沢大学は、同大学の医師が開発し、厚生労働省の先進医療に指定されていた「カフェイン併用化学療法」が、同省が定めた「臨床研究に関する倫理指針」に違反していたことを明らかにした。  カフェイン併用化学療法は、悪性骨軟部腫瘍の患者を対象に、もともと強心利尿薬として承認されているカフェインを、併用する抗がん剤の作用増強を目的に薬事未承認の適応外で使用するもので、有効性・安全性を評価・確認する臨床試験として実施された。この臨床試験を行っていたのは、医学部整形外科学教室の土屋弘行教授らの研究グループである。

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