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財界論

財界と企業倫理(下)

第20回 人権尊重など “優等生”化が進むのだが

茨城大学名誉教授 古賀純一郎

2022年5月15日号

 日本経団連がここにきて人権尊重に注力している。企業の利益拡大をめざす圧力団体の、これとは無縁の活動に、「何があったの」と驚く向きは少なくなかろう。だが、背景などを聞けば腑に落ちる。ズバリ、人権をめぐる海外の事情がここ数年で様変わりし、対応を誤れば深刻な打撃を受ける可能性が出てきたからである。人権感覚がとかく乏しいと言われてきた日本企業の変身する転機になるのか。  海外事情の変化から説明しよう。「スウェットショップ(搾取工場)」の言葉を聞いたことがあるだろうか。劣悪、違法な環境下で子ども、若い女性などを低賃金で長時間、働かせる主に途上国の工場のこと。スウェットは英語で「汗」「低賃金で酷使される」の意味がある。これは明らかに人権侵害なのである。  世界に知れ渡るきっかけとなったのは米ナイキが見舞われた1990年代の事件。...  日本経団連がここにきて人権尊重に注力している。企業の利益拡大をめざす圧力団体の、これとは無縁の活動に、「何があったの」と驚く向きは少なくなかろう。だが、背景などを聞けば腑に落ちる。ズバリ、人権をめぐる海外の事情がここ数年で様変わりし、対応を誤れば深刻な打撃を受ける可能性が出てきたからである。人権感覚がとかく乏しいと言われてきた日本企業の変身する転機になるのか。  海外事情の変化から説明しよう。「スウェットショップ(搾取工場)」の言葉を聞いたことがあるだろうか。劣悪、違法な環境下で子ども、若い女性などを低賃金で長時間、働かせる主に途上国の工場のこと。スウェットは英語で「汗」「低賃金で酷使される」の意味がある。これは明らかに人権侵害なのである。  世界に知れ渡るきっかけとなったのは米ナイキが見舞われた1990年代の事件。スポ

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