医工連携
バイオフィルム感染症の制圧に挑む
医工連携の実践者68 杉本真也 東京慈恵会医科大学准教授
2022年6月1日号
自然界や生体内に存在する細菌の多くは、集団でバイオフィルムと呼ばれる「社会」を形成している。バイオフィルムは、むし歯や歯周病そして医原性感染症の原因となり、その多くが難治性だ。
こうした疾病が難治性になるのは、バイオフィルム内で菌本体は、多糖類やタンパク質、核酸が鳥の巣のように絡み合った構造物「菌体外マトリクス」に覆われており、抗菌薬や免疫が物理的に遮られて十分に働けないからだ。
この菌体外マトリクスを効率よく壊せれば、多くの疾病の治療や予防につながる。そのためまずは、菌体外マトリクスの材料やバイオフィルム形成の仕組みを解明することが必要だ。これに関連して4月、新しい知見が報告された。黄色ブドウ球菌臨床分離株のバイオフィルム内に環境由来のRNAが取り込まれている、菌自身によって菌体外につくられる多糖類がRNAと結合し...
自然界や生体内に存在する細菌の多くは、集団でバイオフィルムと呼ばれる「社会」を形成している。バイオフィルムは、むし歯や歯周病そして医原性感染症の原因となり、その多くが難治性だ。
こうした疾病が難治性になるのは、バイオフィルム内で菌本体は、多糖類やタンパク質、核酸が鳥の巣のように絡み合った構造物「菌体外マトリクス」に覆われており、抗菌薬や免疫が物理的に遮られて十分に働けないからだ。
この菌体外マトリクスを効率よく壊せれば、多くの疾病の治療や予防につながる。そのためまずは、菌体外マトリクスの材料やバイオフィルム形成の仕組みを解明することが必要だ。これに関連して4月、新しい知見が報告された。黄色ブドウ球菌臨床分離株のバイオフィルム内に環境由来のRNAが取り込まれている、菌自身によって菌体外につくられる多糖類がRNAと結合して
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