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臨床研究と患者の人権

第3シリーズ② 倫理指針逸脱した先進医療

ジャーナリスト 出河雅彦

2022年6月1日号

 金沢大学附属病院の医師が開発し、厚生労働省の先進医療に指定されていた「カフェイン併用化学療法」の「臨床研究に関する倫理指針」違反の背景にあった先進医療制度に関する改革(2008年4月の高度医療評価制度の創設)の経緯をもう少し詳しく説明しておこう。  健康保険制度の枠内で先進医療制度の前身である高度先進医療制度をつくった当初、厚生省(当時)は、高度先進医療のなかで薬事承認を得ていない医薬品・医療機器の使用や、承認を得た効能・効果とは異なる目的で医薬品・医療機器を使う適応外使用を禁止していなかったので、薬事法(現在の医薬品医療機器法)の適用を受けない臨床試験を許容する、という矛盾を抱えていた。  2004年の混合診療解禁論議を経て、先進医療制度を導入する過程で厚労省は、薬事法上の未承認、適応外使用に該当する薬や医療機器を用いた...  金沢大学附属病院の医師が開発し、厚生労働省の先進医療に指定されていた「カフェイン併用化学療法」の「臨床研究に関する倫理指針」違反の背景にあった先進医療制度に関する改革(2008年4月の高度医療評価制度の創設)の経緯をもう少し詳しく説明しておこう。  健康保険制度の枠内で先進医療制度の前身である高度先進医療制度をつくった当初、厚生省(当時)は、高度先進医療のなかで薬事承認を得ていない医薬品・医療機器の使用や、承認を得た効能・効果とは異なる目的で医薬品・医療機器を使う適応外使用を禁止していなかったので、薬事法(現在の医薬品医療機器法)の適用を受けない臨床試験を許容する、という矛盾を抱えていた。  2004年の混合診療解禁論議を経て、先進医療制度を導入する過程で厚労省は、薬事法上の未承認、適応外使用に該当する薬や医療機器を用いた医

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