小林化工の残留組、廃業に向けた過酷な「完遂業務」

NOTEBOOK-こぼれ話

2022年6月1日号

　成分誤混入問題や製造不正によって「地元の優良企業」から一気に凋落した小林化工（福井県あわら市）。3月末にサワイグループホールディングス子会社に工場を譲渡し、人員400人の転籍も完了済みで、来年4月の「廃業」（医薬品製造販売業廃止）に向けて身辺整理を進めている。　新会社で心機一転を図る転籍者とは対照的なのが、小林化工に残された約170人の従業員。自らピリオドを打つ過酷な「完遂業務」が課せられており、今後役割を終え次第、否応なしに会社を去らなくてはならない。　20年12月の不祥事発覚後、関係先に頭を下げ続けてきた社員から「本来なら事象を招いた製造部門の人が謝るべき。もう一生分謝ったと思う。こんな仕事を続けるのは精神衛生上良くない」と怨嗟の声が聞こえてくるのも当然のことだろう。「完遂業務」は、自主回収やその手数料の支払い、他社への製品承継、債権・債務整... 　成分誤混入問題や製造不正によって「地元の優良企業」から一気に凋落した小林化工（福井県あわら市）。3月末にサワイグループホールディングス子会社に工場を譲渡し、人員400人の転籍も完了済みで、来年4月の「廃業」（医薬品製造販売業廃止）に向けて身辺整理を進めている。　新会社で心機一転を図る転籍者とは対照的なのが、小林化工に残された約170人の従業員。自らピリオドを打つ過酷な「完遂業務」が課せられており、今後役割を終え次第、否応なしに会社を去らなくてはならない。　20年12月の不祥事発覚後、関係先に頭を下げ続けてきた社員から「本来なら事象を招いた製造部門の人が謝るべき。もう一生分謝ったと思う。こんな仕事を続けるのは精神衛生上良くない」と怨嗟の声が聞こえてくるのも当然のことだろう。「完遂業務」は、自主回収やその手数料の支払い、他社への製品承継、債権・債務整理、

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