生きづらい現代日本の私 | 医薬経済オンライン

読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー

生きづらい現代日本の私

第195回

大西一幸

2022年6月15日号

健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて熊代亨イースト・プレス 2020年6月刊「確かにそうだよな」とついつい読みながら思わされる本。私の場合、そうした経験は少ないほうだと思う。このコラムは肯定的な感想が多いではないかと反論されそうだが、「初めて知る」ことと、「同じ思い」はまったく違うもので、それは教授と共感の違いと言い換えればわかりやすいかもしれない。　ということで最初から断っておくと、今回の読書は「共感」。ただし、著者の現代日本社会への「不自由さ」「生きづらさ」「清潔原理主義」に対する異議申し立てには全面的に同意するものの、婉曲な表現、慎重さや寛容ぶりは、少しだけ弱腰に見え、やや不満も残る。著者は1975年、私は49年生まれ。何でも「ナンセンス」と叫び、ゲバ棒さえ持つかもしれない短絡な私の世代には... 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて熊代亨イースト・プレス 2020年6月刊「確かにそうだよな」とついつい読みながら思わされる本。私の場合、そうした経験は少ないほうだと思う。このコラムは肯定的な感想が多いではないかと反論されそうだが、「初めて知る」ことと、「同じ思い」はまったく違うもので、それは教授と共感の違いと言い換えればわかりやすいかもしれない。　ということで最初から断っておくと、今回の読書は「共感」。ただし、著者の現代日本社会への「不自由さ」「生きづらさ」「清潔原理主義」に対する異議申し立てには全面的に同意するものの、婉曲な表現、慎重さや寛容ぶりは、少しだけ弱腰に見え、やや不満も残る。著者は1975年、私は49年生まれ。何でも「ナンセンス」と叫び、ゲバ棒さえ持つかもしれない短絡な私の世代にはない

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