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臨床研究と患者の人権

第3シリーズ③ 倫理指針逸脱した先進医療

ジャーナリスト 出河雅彦

2022年6月15日号

 前回6月1日号に引き続き、金沢大学附属病院の医師が開発し、厚生労働省の先進医療に指定されていた「カフェイン併用化学療法」の「臨床研究に関する倫理指針」違反の背景にあった先進医療制度改革(2008年4月の高度医療評価制度の創設)について見ていこう。 新制度下の臨床試験に重大な懸念  2004年の混合診療解禁論議を経て、先進医療制度を導入する過程で厚生労働省は、薬事法上の未承認、適応外使用に該当する薬や医療機器を用いた医療技術は先進医療の対象に含めないこととし、その決定内容を2005年6月30日付保険局医療課長通知「先進医療に係る届出等の取扱いについて」に盛り込んだが、2007年になって、混合診療拡大を求める規制改革派の経済人や学者から批判を受け、見直しを余儀なくされた。  当時の厚生労働省は、前回6月1日号で触れた混合診療訴訟の...  前回6月1日号に引き続き、金沢大学附属病院の医師が開発し、厚生労働省の先進医療に指定されていた「カフェイン併用化学療法」の「臨床研究に関する倫理指針」違反の背景にあった先進医療制度改革(2008年4月の高度医療評価制度の創設)について見ていこう。 新制度下の臨床試験に重大な懸念  2004年の混合診療解禁論議を経て、先進医療制度を導入する過程で厚生労働省は、薬事法上の未承認、適応外使用に該当する薬や医療機器を用いた医療技術は先進医療の対象に含めないこととし、その決定内容を2005年6月30日付保険局医療課長通知「先進医療に係る届出等の取扱いについて」に盛り込んだが、2007年になって、混合診療拡大を求める規制改革派の経済人や学者から批判を受け、見直しを余儀なくされた。  当時の厚生労働省は、前回6月1日号で触れた混合診療訴訟の一

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