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検証 医薬品と[特許]

特許医薬品の紛争の実際①

第5回

元大阪大学大学院 経済学研究科講師 西口博之

2022年6月15日号

 前回5月1日号では製薬業界で起こった特許紛争のうち、残存期間の延長の可否が争われた裁判例を紹介したうえで、その一部の内容を簡単に示した。今回はさまざまな特許紛争のうち、製薬業界のその後の戦略に影響した事例について取り上げて見ることにする。いずれも法律事務所や特許事務所も注目したものである。 事例1=試験又は研究の例外 (グアニジノ安息香酸誘導体事件:判例時報第1675号37頁以下)  平成9年5月15日京都地裁判決:平8第1898号  平成10年5月13日大阪高裁判決:平9(ネ)第1476号  平成11年4月16日最高裁判決:平10(受)第153号  原告・控訴人・上告人:小野薬品  被告・被控訴人・被上告人:京都薬品工業  1976年の物資特許の導入により、医薬品(物資)にも特許権が付与されるようになり、90年代には医薬品に係わる物質...  前回5月1日号では製薬業界で起こった特許紛争のうち、残存期間の延長の可否が争われた裁判例を紹介したうえで、その一部の内容を簡単に示した。今回はさまざまな特許紛争のうち、製薬業界のその後の戦略に影響した事例について取り上げて見ることにする。いずれも法律事務所や特許事務所も注目したものである。 事例1=試験又は研究の例外 (グアニジノ安息香酸誘導体事件:判例時報第1675号37頁以下)  平成9年5月15日京都地裁判決:平8第1898号  平成10年5月13日大阪高裁判決:平9(ネ)第1476号  平成11年4月16日最高裁判決:平10(受)第153号  原告・控訴人・上告人:小野薬品  被告・被控訴人・被上告人:京都薬品工業  1976年の物資特許の導入により、医薬品(物資)にも特許権が付与されるようになり、90年代には医薬品に係わる物質特

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