医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

薬のおカネを議論しよう

減薬めざす「SATOMI臨床研究プロジェクト」

第68回

医療ガバナンス研究所医師  谷本哲也

2022年7月1日号

 日本が誇る国民皆保険制度の存続を危惧する声が出て久しい。保険制度が設計されたのは60年以上前の高度経済成長期だが、少子高齢化の進行や長期にわたる経済の停滞で、当時と現在とでは日本社会の様相がまるで異なっているのは誰の目にも明らかだ。 国民医療費は右肩上がりを続けている。1965年では国民医療費(GDP比)は、約1兆1000億円(3.3%)だったが、2019年には約44兆4000億円(7.9%)まで到達した。政府は医療費抑制のために薬価を厳しく統制しているため、国内医療用医薬品の市場規模は低成長で、いまのところ約4分の1の11兆円を超えない程度で抑え付けられている。 それでも新薬開発により経済成長を狙い、次々と承認される高額医薬品が耳目を集めるのが資本主義社会の習いだ。これに異を唱え、あえて減薬をめざすためのエビデンスづくりに、一般社団法人を立ち上げた医師がいる。里見清...  日本が誇る国民皆保険制度の存続を危惧する声が出て久しい。保険制度が設計されたのは60年以上前の高度経済成長期だが、少子高齢化の進行や長期にわたる経済の停滞で、当時と現在とでは日本社会の様相がまるで異なっているのは誰の目にも明らかだ。 国民医療費は右肩上がりを続けている。1965年では国民医療費(GDP比)は、約1兆1000億円(3.3%)だったが、2019年には約44兆4000億円(7.9%)まで到達した。政府は医療費抑制のために薬価を厳しく統制しているため、国内医療用医薬品の市場規模は低成長で、いまのところ約4分の1の11兆円を超えない程度で抑え付けられている。 それでも新薬開発により経済成長を狙い、次々と承認される高額医薬品が耳目を集めるのが資本主義社会の習いだ。これに異を唱え、あえて減薬をめざすためのエビデンスづくりに、一般社団法人を立ち上げた医師がいる。里見清一の

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence