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医工連携

安全安価な人工網膜

医工連携の実践者71 内田哲也 岡山大学研究教授

2022年7月15日号

 私たちが眼で何かを見るとき、眼球奥に入る光を網膜の「視細胞」が細胞膜の電位差に変換、それに応じて神経節細胞がスパイク(電気信号)を発生させ、その電気信号が脳へと届いて光を認識するという流れになっている。  網膜色素変性症や糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症などでは、この視細胞が死滅してしまうことにより視力を失っていく。ただ多くの場合、神経節細胞から脳までつながる神経経路は生き残っており、視細胞の役割を何かで代替してあげれば、ある程度は視力が回復すると考えられている。  代替させるためには、光を電位差に変える何かが必要だ。13年には米国で、カメラで撮影した画像を60画素に集約し、情報に対応した電流を網膜表面に植え込んだ60個の電極から流す仕組みの人工網膜「Argus Ⅱ」が発売されている。ただ、外部電源が必要なうえに、あ...  私たちが眼で何かを見るとき、眼球奥に入る光を網膜の「視細胞」が細胞膜の電位差に変換、それに応じて神経節細胞がスパイク(電気信号)を発生させ、その電気信号が脳へと届いて光を認識するという流れになっている。  網膜色素変性症や糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症などでは、この視細胞が死滅してしまうことにより視力を失っていく。ただ多くの場合、神経節細胞から脳までつながる神経経路は生き残っており、視細胞の役割を何かで代替してあげれば、ある程度は視力が回復すると考えられている。  代替させるためには、光を電位差に変える何かが必要だ。13年には米国で、カメラで撮影した画像を60画素に集約し、情報に対応した電流を網膜表面に植え込んだ60個の電極から流す仕組みの人工網膜「Argus Ⅱ」が発売されている。ただ、外部電源が必要なうえに、あまり

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