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臨床研究と患者の人権

第3シリーズ⑤ 倫理指針逸脱した先進医療

ジャーナリスト 出河雅彦

2022年7月15日号

「金沢大学附属病院カフェイン併用化学療法に関する調査委員会」(以下、カフェイン併用化学療法調査委員会と言う)が2014年12月にまとめた最終報告書には、金沢大学の研究グループが厚生労働省の先進医療制度改革の意味を正しく認識していなかった結果、何が起きたのかが詳しく記されているので、報告書の記載に沿って、たどってみることにしよう。 医師は理解していなかった  金沢大学整形外科の土屋弘行医師らの研究グループは、厚生労働省が「臨床的な使用確認試験」と名付けた臨床試験の実施が必要なことを認識していたものの、公的医療保険と患者の負担による先進医療の枠内でカフェイン併用化学療法を「治療」としても引き続き行える、と考えた。  本来、臨床試験は予め定めた試験計画に厳格に従って実施されるべきものであり、「試験」でない「治療」とは... 「金沢大学附属病院カフェイン併用化学療法に関する調査委員会」(以下、カフェイン併用化学療法調査委員会と言う)が2014年12月にまとめた最終報告書には、金沢大学の研究グループが厚生労働省の先進医療制度改革の意味を正しく認識していなかった結果、何が起きたのかが詳しく記されているので、報告書の記載に沿って、たどってみることにしよう。 医師は理解していなかった  金沢大学整形外科の土屋弘行医師らの研究グループは、厚生労働省が「臨床的な使用確認試験」と名付けた臨床試験の実施が必要なことを認識していたものの、公的医療保険と患者の負担による先進医療の枠内でカフェイン併用化学療法を「治療」としても引き続き行える、と考えた。  本来、臨床試験は予め定めた試験計画に厳格に従って実施されるべきものであり、「試験」でない「治療」とは明

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