現場の医師が考える 医薬品マーケティング論
薬価引き下げ分は技術料に?
第3回
臨床医 建見 霞嗣
2022年8月1日号
調剤薬局は辛い立場?
診療報酬・薬価改定においては、薬価を引き下げた財源を技術料に充当するか否かの綱引きが毎回行われます。今回、新しい日本医師会会長から薬価の改定が毎年行われるなら、それを技術料にある程度還元してほしいとの発言がありました。個人的にはいろいろと感じる部分もあり、とくに調剤薬局については、関連した統計を見ながら考えてみたいと思います。
まず、42兆円を超える医療費のなかで、調剤医療費は7兆円超。薬局が6万件弱ですので、ざっと平均して1軒あたり1億2000万円となります。とすると、1軒あたり月に1000万円、そのうち約25%(計算しやすいように少し大雑把で多めにしています)が調剤技術料ですから、1軒あたり技術料として稼げるのは250万円です。薬剤料5兆5000億円のうち薬価差益が3%で1650億円、1軒あたりだと年間300万円弱の...
調剤薬局は辛い立場?
診療報酬・薬価改定においては、薬価を引き下げた財源を技術料に充当するか否かの綱引きが毎回行われます。今回、新しい日本医師会会長から薬価の改定が毎年行われるなら、それを技術料にある程度還元してほしいとの発言がありました。個人的にはいろいろと感じる部分もあり、とくに調剤薬局については、関連した統計を見ながら考えてみたいと思います。
まず、42兆円を超える医療費のなかで、調剤医療費は7兆円超。薬局が6万件弱ですので、ざっと平均して1軒あたり1億2000万円となります。とすると、1軒あたり月に1000万円、そのうち約25%(計算しやすいように少し大雑把で多めにしています)が調剤技術料ですから、1軒あたり技術料として稼げるのは250万円です。薬剤料5兆5000億円のうち薬価差益が3%で1650億円、1軒あたりだと年間300万円弱の利
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