読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー
触れる臓器と外を繋ぐ
第199回
2022年8月15日号
皮膚、人間のすべてを語る 万能の臓器と巡る10章
モンティ・ライマン/塩崎香織訳
みすず書房
2022年5月刊
サブタイトルは「万能の臓器と巡る10章」。私は皮膚を臓器と認識するクセがない。なのでこのサブタイトルからやられてしまう。そして、難しいが大変に面白い読書。それだけに読み通すのにやけに時間がかかってしまった。でもまだ読んでいない人には勧めたい。
臓器だ、と一旦認識してしまうと、著者の思うつぼだろうが、皮膚という臓器は何と不思議で奇妙な、そして多様な思惟の体系とつながり合うのかに気付く。例えば老化、ルッキズム、さまざまな感染症を含めた疾病、個人や民族や国家のアイデンティティ、そしてそれらのほとんどに付随している差別という人間にしかないまだ遠い向こうにある解を持つ思惟。あるいは著者が見た光景の不思議。全裸のインド...
皮膚、人間のすべてを語る 万能の臓器と巡る10章
モンティ・ライマン/塩崎香織訳
みすず書房
2022年5月刊
サブタイトルは「万能の臓器と巡る10章」。私は皮膚を臓器と認識するクセがない。なのでこのサブタイトルからやられてしまう。そして、難しいが大変に面白い読書。それだけに読み通すのにやけに時間がかかってしまった。でもまだ読んでいない人には勧めたい。
臓器だ、と一旦認識してしまうと、著者の思うつぼだろうが、皮膚という臓器は何と不思議で奇妙な、そして多様な思惟の体系とつながり合うのかに気付く。例えば老化、ルッキズム、さまざまな感染症を含めた疾病、個人や民族や国家のアイデンティティ、そしてそれらのほとんどに付随している差別という人間にしかないまだ遠い向こうにある解を持つ思惟。あるいは著者が見た光景の不思議。全裸のインドのヨ
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