コロナ禍で重要性増す「患者経験価値」
「人間中心医療」から取り残される日本
神戸市議会議員・元国会議員政策担当秘書 岡田裕二
2022年8月15日号
新型コロナウイルス禍が世界にもたらしたもので、注目すべきものがあるとすれば、それは日常生活のなかに莫大な数の「患者」を生み出したことだ。職場で責任ある人が突然患者になり、自宅や医療機関に収容され、姿を消すということが日常に起こるようになって久しい。
7月末現在で、1日の感染者数が20万人を超える日が続いている。彼らが1週間だけ患者に分類されるとしても、1週間後には140万人の患者が新たに誕生する計算になる。20年度の厚生労働省「患者調査」によれば、現在およそ120万人余の入院患者が国内に存在するとされるが、現在のコロナ禍は1週間足らずで、全国の入院患者よりも多い新たな患者を生み出していることになる。
ここまで書けば、読者の皆さんも疑問に思うだろう。果たして患者とは、いったい誰のことを指すのか。小学館『デジタル大辞泉』によれば...
新型コロナウイルス禍が世界にもたらしたもので、注目すべきものがあるとすれば、それは日常生活のなかに莫大な数の「患者」を生み出したことだ。職場で責任ある人が突然患者になり、自宅や医療機関に収容され、姿を消すということが日常に起こるようになって久しい。
7月末現在で、1日の感染者数が20万人を超える日が続いている。彼らが1週間だけ患者に分類されるとしても、1週間後には140万人の患者が新たに誕生する計算になる。20年度の厚生労働省「患者調査」によれば、現在およそ120万人余の入院患者が国内に存在するとされるが、現在のコロナ禍は1週間足らずで、全国の入院患者よりも多い新たな患者を生み出していることになる。
ここまで書けば、読者の皆さんも疑問に思うだろう。果たして患者とは、いったい誰のことを指すのか。小学館『デジタル大辞泉』によれば、
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