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林檎の南限、蜜柑の北限―石岡市に見る地域医療問題―

財政的にも無理のない公立病院設立計画

第10回

フリーライター・早川幸子

2022年8月15日号

 06年6月、公立病院が赤字の代名詞とされる象徴的な出来事が起きる。北海道の夕張市が632億円の負債を抱え財政再建団体の指定を申請。調査の過程で、市が運営していた夕張市立総合病院にも39億円の負債があることが判明した。そして、市の財政破綻に伴い、夕張市立総合病院も経営破綻した。  02年の「骨太の方針」で打ち出された三位一体改革は、新自由主義的な考えが強く、国庫補助負担金の廃止・軽減、税源移譲、地方交付税の見直しの3つを一気に進めるものだった。この改革で、04年からの3年間で、国から地方に約3兆円の税源移譲が実現したものの、約5.1兆円の地方交付税(臨時財政対策債含む)が削減され、地方自治体の多くは大幅な財政不足に陥った。いわゆる地財ショックで、「地方交付税は国の都合で削られる」という不信感を自治体関係者の脳裏に刻むことになった。同時に、一般会...  06年6月、公立病院が赤字の代名詞とされる象徴的な出来事が起きる。北海道の夕張市が632億円の負債を抱え財政再建団体の指定を申請。調査の過程で、市が運営していた夕張市立総合病院にも39億円の負債があることが判明した。そして、市の財政破綻に伴い、夕張市立総合病院も経営破綻した。  02年の「骨太の方針」で打ち出された三位一体改革は、新自由主義的な考えが強く、国庫補助負担金の廃止・軽減、税源移譲、地方交付税の見直しの3つを一気に進めるものだった。この改革で、04年からの3年間で、国から地方に約3兆円の税源移譲が実現したものの、約5.1兆円の地方交付税(臨時財政対策債含む)が削減され、地方自治体の多くは大幅な財政不足に陥った。いわゆる地財ショックで、「地方交付税は国の都合で削られる」という不信感を自治体関係者の脳裏に刻むことになった。同時に、一般会計

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