読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー
いのちを哲学に医療再構築
第200回
大西一幸
2022年9月1日号
稲葉俊郎
扶桑社
2022年6月刊
幼少期の記憶は、4歳違いの妹が生まれる半年ほど前から景色として残るものもあり、4歳直前あたりから明確に残っているように思う。ただ、記憶は上書きされるとも言われるので、都合よく「編集」されているかもしれない。
その以前の話になると、ほとんど母の育児に関する記憶の聞き覚えだ。母の話もまるですべて信じているわけではない。例えば、現在のADHD(注意欠如・多動症)的な子で、保育園になじめず7日間で退園を求められたことなど。
一方で、ミシンの足踏みの場所がお気に入りで、そこに腹ばいになって1日中遊んでいたことなどは割と信じられるし、あの大きなペダル部分の冷たい感触と腹への家中の振動音の伝達は、子どもを夢見心地にさせ、想像と眠りに誘う一等地だったことだろう。母の話を聴くといつもありもしな...
稲葉俊郎
扶桑社
2022年6月刊
幼少期の記憶は、4歳違いの妹が生まれる半年ほど前から景色として残るものもあり、4歳直前あたりから明確に残っているように思う。ただ、記憶は上書きされるとも言われるので、都合よく「編集」されているかもしれない。
その以前の話になると、ほとんど母の育児に関する記憶の聞き覚えだ。母の話もまるですべて信じているわけではない。例えば、現在のADHD(注意欠如・多動症)的な子で、保育園になじめず7日間で退園を求められたことなど。
一方で、ミシンの足踏みの場所がお気に入りで、そこに腹ばいになって1日中遊んでいたことなどは割と信じられるし、あの大きなペダル部分の冷たい感触と腹への家中の振動音の伝達は、子どもを夢見心地にさせ、想像と眠りに誘う一等地だったことだろう。母の話を聴くといつもありもしない
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