スペシャリティ薬剤に集中する薬価・薬剤費の焦点

Pharmacoeconomics ━療法の価値━

第107回　米IRA薬価抑制条項の背景（❶②③）

2022年9月1日号

▽インフレ削減法の柱になる薬価管理条項は米国薬剤費の動向が安定に向かうなかで展開される▽しかし新薬価格の急騰、リスト−正味価格差の拡大、スペシャリティ薬剤シフトが加速している▽政府価格交渉、値上げ率抑制、患者負担限度額導入は構造的な変化にどう影響するのか？　メディケア薬剤給付の制度化から20年弱、クリントン政権の模索に遡れば30年弱、民主党が実現したメディケア薬価の政府価格交渉は、米国薬剤費が安定軌道に入るなかで展開される。不況後の景気低迷と大型製剤の独占喪失による低迷で始まった2010年代は乱高下になった。C型肝炎治療薬の強力なカンフル、悪乗りした値上げラッシュが議会民主党を走らせ、トランプ前大統領の「口撃」が自粛モードに一変させた。パンデミックが利用パターンを変え、2021年はワクチンと治療薬で290億ドル、成長率1％が上乗せされた（図1）。　CMS保険数理... ▽インフレ削減法の柱になる薬価管理条項は米国薬剤費の動向が安定に向かうなかで展開される▽しかし新薬価格の急騰、リスト−正味価格差の拡大、スペシャリティ薬剤シフトが加速している▽政府価格交渉、値上げ率抑制、患者負担限度額導入は構造的な変化にどう影響するのか？　メディケア薬剤給付の制度化から20年弱、クリントン政権の模索に遡れば30年弱、民主党が実現したメディケア薬価の政府価格交渉は、米国薬剤費が安定軌道に入るなかで展開される。不況後の景気低迷と大型製剤の独占喪失による低迷で始まった2010年代は乱高下になった。C型肝炎治療薬の強力なカンフル、悪乗りした値上げラッシュが議会民主党を走らせ、トランプ前大統領の「口撃」が自粛モードに一変させた。パンデミックが利用パターンを変え、2021年はワクチンと治療薬で290億ドル、成長率1％が上乗せされた（図1）。　CMS保険数理部

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