上昌広の日本医療の診立て
東大教養学部に見るエリートの劣化
第24回 留年処分を下された学生が 提訴に追い込まれた「理由」
2022年9月1日号
日本の衰退をめぐる議論がかまびすしい。何が問題なのか。筆者は、エリートの劣化が大きいと考える。最近、このことを改めて思い知る機会があった。本稿で紹介したい。
その機会とは、東京大学教養学部の新型コロナウイルス感染者への対応をめぐる騒動だ。8月19日、東京大学教養学部理科3類2年生の杉浦蒼大君が、東大が下した留年処分が不当であるとして東京地裁に提訴した。マスコミも大きく報じたため、ご存知の方が多いだろう。
実は、杉浦君は、私が主宰する医療ガバナンス研究所で学ぶ学生だ。昨春の東大入学以降、時間があれば、医療ガバナンス研究所に出入りし、福島県の被災地にも足を運び、相馬市のコロナワクチン集団接種や被災者のケアを手伝っている。6月には、坪倉正治・福島県立医科大学教授の指導の下、原発事故後の南相馬市における地元産の食品に対する...
日本の衰退をめぐる議論がかまびすしい。何が問題なのか。筆者は、エリートの劣化が大きいと考える。最近、このことを改めて思い知る機会があった。本稿で紹介したい。
その機会とは、東京大学教養学部の新型コロナウイルス感染者への対応をめぐる騒動だ。8月19日、東京大学教養学部理科3類2年生の杉浦蒼大君が、東大が下した留年処分が不当であるとして東京地裁に提訴した。マスコミも大きく報じたため、ご存知の方が多いだろう。
実は、杉浦君は、私が主宰する医療ガバナンス研究所で学ぶ学生だ。昨春の東大入学以降、時間があれば、医療ガバナンス研究所に出入りし、福島県の被災地にも足を運び、相馬市のコロナワクチン集団接種や被災者のケアを手伝っている。6月には、坪倉正治・福島県立医科大学教授の指導の下、原発事故後の南相馬市における地元産の食品に対する子ど
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