薬のおカネを議論しよう
コロナ治療薬、蓄積された非推奨薬のエビデンス
第72回
医療ガバナンス研究所医師 谷本哲也
2022年9月1日号
『ニューイングランド医学誌』(NEJM)8月18日号に、治療薬の効果が証明されなかったランダム化比較試験(RCT)の結果と付随する論説が掲載された。このようなネガティブな論文は、一般的に一流誌には掲載されにくい。
人は誰しも「新薬の開発に成功した!」というポジティブなニュースを求めてしまう心理があり、それが医学誌の編集方針にも影響するバイアスの存在は昔からずっと指摘されている。失敗に終わった研究報告は読者受けが悪いので仕方がない側面もある。
しかし、今回の「COVID-OUT」と名付けられたネガティブ研究が一流誌の紙面を飾ったのは、根強い人気を誇っていた「イベルメクチン」などの既存薬を新型コロナウイルス感染症治療に転用した場合の、治療効果に関するRCTがテーマだったからだ。ミネソタ大学など米国6施設の研究者主導で21年5月から22年1月にか...
『ニューイングランド医学誌』(NEJM)8月18日号に、治療薬の効果が証明されなかったランダム化比較試験(RCT)の結果と付随する論説が掲載された。このようなネガティブな論文は、一般的に一流誌には掲載されにくい。
人は誰しも「新薬の開発に成功した!」というポジティブなニュースを求めてしまう心理があり、それが医学誌の編集方針にも影響するバイアスの存在は昔からずっと指摘されている。失敗に終わった研究報告は読者受けが悪いので仕方がない側面もある。
しかし、今回の「COVID-OUT」と名付けられたネガティブ研究が一流誌の紙面を飾ったのは、根強い人気を誇っていた「イベルメクチン」などの既存薬を新型コロナウイルス感染症治療に転用した場合の、治療効果に関するRCTがテーマだったからだ。ミネソタ大学など米国6施設の研究者主導で21年5月から22年1月にかけ
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