医薬経済オンライン

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世界の医薬品業界

急激な環境変化と欧米大手の戦略

第22回

医薬評論家・五條正也

2009年1月15日号

 世界最大手のファイザーは08年12月15日、今年3月に支払う配当金を過去41年間で初めて前回( 08年12月)と同額に据え置くと発表し、投資家やアナリストの注目を集めた。まだ特許の切れていない高脂血症薬「リピトール」でさえ、米国では値上げしたにもかかわらず、08年の米国売上高は2ケタ減が確実となり、米国だけで8億ドル以上が消えると見られるが、1つの製品の米国売上増だけでそれをカバーできるものはない。 特許が切れて販売を中止した抗アレルギー剤の「ジルテック」は、08年売上高が14億ドル以上の減収となる。今はまだ配当金( 07年の配当金合計は82億ドル、06年は73億ドル)を引き上げることが可能でも、ここまで来れば、剰余金などを一部取り崩して引き上げ続けることも、やがて不可能になるのは確実で、一足先に手を打ったということだろう。他の大手買収...  世界最大手のファイザーは08年12月15日、今年3月に支払う配当金を過去41年間で初めて前回( 08年12月)と同額に据え置くと発表し、投資家やアナリストの注目を集めた。まだ特許の切れていない高脂血症薬「リピトール」でさえ、米国では値上げしたにもかかわらず、08年の米国売上高は2ケタ減が確実となり、米国だけで8億ドル以上が消えると見られるが、1つの製品の米国売上増だけでそれをカバーできるものはない。 特許が切れて販売を中止した抗アレルギー剤の「ジルテック」は、08年売上高が14億ドル以上の減収となる。今はまだ配当金( 07年の配当金合計は82億ドル、06年は73億ドル)を引き上げることが可能でも、ここまで来れば、剰余金などを一部取り崩して引き上げ続けることも、やがて不可能になるのは確実で、一足先に手を打ったということだろう。他の大手買収のた

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