論点
医療における新たな価値創造に向けて
医療技術の社会経済評価の方法論とは④
大阪大学医学部附属病院未来医療センター招聘准教授 田倉智之
2009年1月15日号
前稿(1月1日号)では、疾病負担などのアウトカム指向の分析から日本の医療システムのパフォーマンスが高いことを解説し、医療費抑制は債権大国として、生活基盤の強化や国際貢献の観点から損となる可能性も指摘した。 これらを背景に本稿では、医療分野の発展の道しるべを論じるときに必要な医療技術の社会経済評価の方法について整理を行う。 はじめに、社会経済評価のアプローチは基本的に絶対評価ではなく相対評価が中心になるということを共有したい。医療サービスの成果である健康や生命などを計るのは難しく、絶対的な物差しは少ない。そこで評価を行うためには、通常は今普及している診療サービスと新しく提供される診療技術などについて、その効果と費用を相対的に比べることになる。 この基本的な考え方のひとつとして、医療経済学の世界には、増加費用と増分効果の比較を行う増分費用...
前稿(1月1日号)では、疾病負担などのアウトカム指向の分析から日本の医療システムのパフォーマンスが高いことを解説し、医療費抑制は債権大国として、生活基盤の強化や国際貢献の観点から損となる可能性も指摘した。 これらを背景に本稿では、医療分野の発展の道しるべを論じるときに必要な医療技術の社会経済評価の方法について整理を行う。 はじめに、社会経済評価のアプローチは基本的に絶対評価ではなく相対評価が中心になるということを共有したい。医療サービスの成果である健康や生命などを計るのは難しく、絶対的な物差しは少ない。そこで評価を行うためには、通常は今普及している診療サービスと新しく提供される診療技術などについて、その効果と費用を相対的に比べることになる。 この基本的な考え方のひとつとして、医療経済学の世界には、増加費用と増分効果の比較を行う増分費用効果
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