医薬経済オンライン

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製薬業界が渇望する「薬価差のない世界」

十数年前の業界提案と何が異なるのか

2022年9月15日号

 日本製薬工業協会の岡田安史会長(エーザイ代表執行役COO)は8月30日、都内で記者会見を開き、当初の予定より約1ヵ月遅れで薬価制度改革に関する新たな提言を出した。そのなかで、非常に微妙な表現を用いた。 「新薬創出加算の導入から10数年経過し、後発品割合は高まり、新薬による収益から研究開発に再投資するサイクルは定着し、その役割を果たしつつある」  新薬創出・適応外薬解消等促進加算は図のとおり、10年度に試行導入され、18年度に本格導入された。「役割を果たしつつある」という言い回しに、製薬業界の苦悩が滲む。  試行導入時、製薬業界は歓喜に沸いた。「一定要件を満たした医薬品の薬価を維持する仕組みが改定ルールに導入されるのは、薬価制度60年の歴史のなかで初めて」(当時の日本製薬団体連合会・保険薬価研究委員会委員長...  日本製薬工業協会の岡田安史会長(エーザイ代表執行役COO)は8月30日、都内で記者会見を開き、当初の予定より約1ヵ月遅れで薬価制度改革に関する新たな提言を出した。そのなかで、非常に微妙な表現を用いた。 「新薬創出加算の導入から10数年経過し、後発品割合は高まり、新薬による収益から研究開発に再投資するサイクルは定着し、その役割を果たしつつある」  新薬創出・適応外薬解消等促進加算は図のとおり、10年度に試行導入され、18年度に本格導入された。「役割を果たしつつある」という言い回しに、製薬業界の苦悩が滲む。  試行導入時、製薬業界は歓喜に沸いた。「一定要件を満たした医薬品の薬価を維持する仕組みが改定ルールに導入されるのは、薬価制度60年の歴史のなかで初めて」(当時の日本製薬団体連合会・保険薬価研究委員会委員長・

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