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検証 医薬品と[特許]

オプジーボ特許紛争の深淵②

第8回

元大阪大学大学院 経済学研究科講師 西口博之

2022年9月15日号

 前回8月15日号では、抗PD-1抗体「オプジーボ」の特許紛争として、次の3つの事例を紹介した。今回は概略を示すとともに、その内容を詳報したい。 ①院生対指導教官事件  京都大学内の2つのゼミの共同研究で、共同発明の根拠論文の第一著者であるべきとして自己の特許発明を主張し指導教官を訴えた事例。裁判は第一審並びに控訴審(知財高裁)ともに院生の敗訴、最高裁への上告受理申立(民訴法第318条)が21年9月7日不受理となり事実上結審。 ②ダナファーバー研究所対本庶佑氏・小野薬品グループ事件  本庶氏が1998年以来の共同研究先の米ダナファーバー研究所の2人の研究者からPD-1に関する共同特許権者の地位を求められた裁判で、連邦地裁並びに巡回控訴審で本庶氏グループが完敗。その後、21年5月に本庶博士側の米最高裁への上訴の申立ても却下されてい...  前回8月15日号では、抗PD-1抗体「オプジーボ」の特許紛争として、次の3つの事例を紹介した。今回は概略を示すとともに、その内容を詳報したい。 ①院生対指導教官事件  京都大学内の2つのゼミの共同研究で、共同発明の根拠論文の第一著者であるべきとして自己の特許発明を主張し指導教官を訴えた事例。裁判は第一審並びに控訴審(知財高裁)ともに院生の敗訴、最高裁への上告受理申立(民訴法第318条)が21年9月7日不受理となり事実上結審。 ②ダナファーバー研究所対本庶佑氏・小野薬品グループ事件  本庶氏が1998年以来の共同研究先の米ダナファーバー研究所の2人の研究者からPD-1に関する共同特許権者の地位を求められた裁判で、連邦地裁並びに巡回控訴審で本庶氏グループが完敗。その後、21年5月に本庶博士側の米最高裁への上訴の申立ても却下されている

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